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置いてけぼりの兎(赤也)

もうすぐ、先輩たちは居なくなってしまう。
俺だけ置いてけぼりだ。


なんで俺は後1年早く産まれてこなかったんだろう。




置いてけぼりの兎




いつも思っていたことだ。
何で俺は後1年早く産まれてこなかったんだろう?

この間、俺たちテニス部の全国大会も終わった。
結果は全国大会準優勝で、3連覇という夢は果たせなかったけど。
でも、なんだかスッキリしてる俺もいて。
それはきっと、先輩たちがいてくれたから。
全力を出し切れたから。

でもそれも今年まで。
来年からは俺が立海大附属のテニス部を引っ張っていかなきゃならない。
そこには先輩たちはいない。

幸村部長も真田副部長も、柳先輩も仁王先輩も柳生先輩も丸井先輩もジャッカル先輩も。
そして透先輩に、伊織先輩も。
誰もいない。


俺に幸村部長と同じことができるのか。
俺に後輩たちはついてきてくれるのか。
不安だし、同時に寂しくも思う。
なんで俺だけ2年なんだろう?
なんで俺だけ産まれるのが1年遅かったんだろう?

俺、先輩たちと同じがよかった。
同じ道を歩いていきたかった。

3連覇をできなかった俺たちテニス部は、来年からは挑戦者になる。
先輩たちの思いも背負って、俺たちはまた全国に挑む。

思い出は沢山あるけれど、先輩たちはそこにはいない。
一足先に高校で、俺が来るのを待っててくれている。


立海大附属テニス部のテニスコート。
ここには先輩たちとの思い出がありすぎて、時々泣きたくなることもあるかもしれない。
俺だけじゃどうにもならなくなって、高校まで助けを求めに行くかもしれない。

だけど。
俺は任されたから。
俺に託されたから。
先輩たちの夢と思い。

寂しくても、辛くても、苦しくても。
でもそれ以上に楽しくて、大事なものが出来るのも知っているから。
だから俺はきっと頑張れる。
いや、俺は頑張るんだ。

先輩たちに追いつけるように。
先輩たちを追い越せるように。

待っててくださいっす!
すぐに追いついて、そのうち追い越してやりますからね!





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