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番外 アメリカでのクリスマス 7.5(伊織視点)

「・・・・・・じゃあここで。」
「ああ。今日は久々に会えて嬉しかった」
「俺もだ雅人。それに、笹本さんとも」
「ええ。跡部さんとお話できて、大変興味深かったです」






番外 アメリカでのクリスマス 7.5(伊織視点)






気付けばもうパーティもお開きの時間だった。
何かといろいろあったけれど(主に透中心に)すっかり仲良くなってしまった3家族。

帰る頃には呼び方も名前呼びになっていたし。
まぁ、たまにホクロとか失礼女とかって呼んだりしたけどさ!(気にしない!)

跡部家は黒塗りのリムジンに乗り込んで去って行った。
正直言わせてもらうと、金持って何でリムジンをよく使うんだろう?
あれ、趣味わる(ゴホンゲフン)…まぁ、いいんだけどさ。
ちなみに、けーごとはメールアドレスも電話番号も交換しなかった。
テニスしてればそのうち会うだろうし、透と相談してそう決めた。

それにしても、驚きの連続だよ。(透の両親にも言えることだろうけど)
まさか父と跡部家が中いいなんて知らなかったからなー。


さっきまでの興奮が冷めなくて、伊織と透は車の中で小声になりながら話をした。(聞こえちゃまずい内容もあるしね)


『まさか、あの「跡部様」が会場にいるなんてね』
『だよね!予想外にも程があるよ』
『ね。それにしても景吾のお父さん・・・ダンディだわ・・・思わず「おじ様」って言いそうに・・・』
『わかる!うちの父とは大違いだ』
『・・・雅人さんだって格好いいのに・・・。でも伊織は跡部父にやたらと気に入られてたよね』
『えー?透だってそうじゃん。「結婚」とかいう単語が出たときの晃さんの表情見た?爆笑!』
『それを言うな!!雅人さんだって目が笑ってなかったの見たぞ!』
『あー、うん。その場の温度が2度くらい下がったよね・・・』
『っていうか・・・本当に政略結婚とかある世界なんだ・・・この金持ち世界・・・』
『でも跡部と結婚はねえわ。ねえよ』
『曽根山よりは全然いいと思うけど。まあ・・・格好いいし』
『透って意外とけごのこと・・・っていうか誰だよ曽根山』


そうだ。聞くの忘れてたけど、絡まれたってどういう事だよ。
伊織は透に今日起こった出来事を聞いてあることを心に決めた。


『うわ、最悪(……曽根山ね…)』
『でしょ?』
『うん、事情はよーくわかった・・・・・・曽根山か・・・。そいつが言うように、そこそこデカいなら・・・もしかしたら発注請け負ってるかも・・・』
『はい?』
『こういうこと相談するのよくないってわかってるけど・・・やっぱさー、ちょっとムカつくもんねー・・・』
『?一人で何言ってんの?』
『ま、気にすんな(晃さんにはバレないようにしなきゃなー)』
『????』
『それよりさー・・・』


未だ私が何を言ってるのかよく分かっていない透の思考を別に向けようと話をそらしながら私は考えた。
どうやって父を納得させようか。








次の日、策や車の中でぐっすり眠った私と透はリョーマに会いに越前家に行ったんだけど。
なんでもリョーマが熱を出して寝込んじゃったらしい。
インフルエンザじゃないらしいけど、うつったら大変だと言って会わせて貰えなかった。



「あらら、久々のリョマはお預けだね。透」
「まぁしょうがないよ。風邪は流石に引きたくないしねー」
「一昨日までは元気だったのになー。大丈夫かなリョマ」
「南次郎さんが大丈夫って言ってたし、大丈夫じゃない?」
「それもそうか」


明日には帰ってしまう透は今日しかリョーマに会えないんだけど、風邪なら仕方ない。
その日は私と透だけで、久々のゆっくりとした一日を過ごしたのだった。


もちろん透が帰った後に私は父と2人きりである話をしたのは言うまでもないけれど。


「あのね・・・お父さん、ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
「どうした伊織?朝からそんな神妙な顔して」


ふふ、と笑って透が昨夜体験した出来事を掻い摘んで父に話す。
もちろん晃さんには話さないとの約束で。(晃さんに知れたら、相手方に乗り込んでいきそうだしね)
曽根山グループ。
伊織はそのグループを全くと言っていいほど知らないが、流石に雅人は知っていたようだ。
しかも、知っていただけでなく発注待ちの書類などもあるみたいで、それについては再検討してもらう事になった。
ま、再検討しても通るとは思えないけど。
私を怒らせたこと後悔すればいいわ。(彼らは私の存在すら知らないだろうけどね)


その後、雅人が跡部父にも連絡を入れ、跡部傘下となったばかりの曽根山グループを傘下取り下げするよう根回ししたこと。
透を気に入っていた跡部の両親が進んでその話に乗ったこと。
そして、秋原家と跡部家という大手の財閥から根回しされた曽根山グループが、あらゆる会社からホテル建設の発注取り下げを受けたこと。


「透に手を出すからこうなるんだ。身の程を知るがいいわ」






 

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