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24日のクリスマスイブはリョーマとリョーマの家で一日過ごした。
プレゼントはいらないから、今日一日一緒ね!だって!
リョーマは可愛いお子様に育ったよ、透!!
番外 アメリカでのクリスマス 2(伊織視点)
「招待状をお見せ願います。・・・・・・・・・・はい、秋原様ですね。ようこそいらっしゃいました。メリークリスマス!!」
やけにテンション高いなあのボーイ。(いや、受付の人?なんて言うんだっけ?)
それにしてもさすが金持ちの集まるクリスマス会。
キラッキラしてる、キラッキラしてる。
「久しぶりの生の伊織だー!!」
「久しぶりの透だー!!」
ドーンとぶつかってきた久しぶりの幼馴染。
透を難なく支えて抱き返した。
ぎゅーってしてみる。
透からもぎゅーって返ってきた。
それにしても。
「”生の”って」
「だっていつもは声とかだけじゃん」
「いや、そうだけどさ」
まぁいっか、透だもん。
今日、12月25日は日本でもアメリカでも国民的に人気のある日。
そう、クリスマスである。
私達秋原家と笹本家の家族全員が、今日このアメリカで開かれたパーティ会場にいるのにはちょっとした訳があった。
古い屋敷のような場所を改装でもしたのか、何ともレトロな感じが漂いつつも綺麗なつくりの豪華なホテル。
そこの会場を貸し切ってのパーティだった。
庭には本物のモミの木でできた大きなクリスマスツリーが飾られている。
ちなみに星はついていない。
会場には沢山の人間がいた。
これからもっと増えるであろうと予測されるが、これ以上増えてもまだ余裕があるだろう大きな会場。(凄い)
ここにいるほとんどの人たちが家族連れみたいで、私たちのような子供も沢山いる。
意味合いとしては、子供の自慢大会だろう。
もしくはお披露目会か。
あわよくばいいとこの坊ちゃん嬢ちゃんといい雰囲気に、とかあるんだろうな。
伊織は、可哀想に、と勝手に想像して胸の前でクロスを切った。
そんな伊織をハテナを飛ばしてみている透。(うん、気にするな)
「24日にアメリカに着いてたらリョマの誕生日を透と一緒に祝えたのにね」
「だよねー。お父さんの予定が合えばよかったのに」
私は「透だけ先に帰ってくれば良かったんじゃ」と発言したんだけど「リョーマが…」とよく分からん渋り方をされて仕様がないかと諦めたのは1週間ほど前の話だ。
透たち笹本家がアメリカに着いたのは今日の昼過ぎだった。
なんでも晃さんの都合がつかなくてギリギリになっちゃったんだって。(ご愁傷様)
そんなわけで、着替えしなきゃだし、お化粧しなきゃだしとあわあわしてる透たちを見てるのは楽しかった。
そのせいでリョーマに会えなかったけど、まぁ明日会えるしね。
もちろん私たち秋原家はみんな準備万端です!
「あ、そういえば弦一郎から伝言を預かったよ」
「え、なになに?『クリスマスおめでとう』とか?うわ、似合わない」
今度会ったらからかってやろう、と勝手に思考を巡らせて笑っていると、透はいきなりバッグの中から何かを取り出してきた。
……手紙?
「・・・『拝啓、秋原伊織様。元気にしているか。俺はお前に負けたあの日から、日夜お前を倒すために励んでいる。日本に来た暁には、また試合をしたいものだ。俺はあのときのようにはいかんぞ。首を洗って待っていろ。次こそお前に勝つ。 真田弦一郎』・・・・・・だって」
「・・・・・・・・・・・果たし状?」
「・・・そうとも言うね。あ、この手紙あげるね」
「いらねーよ!!!」
一体いつの時代の子供だ!
なんで懐紙に筆文字だよ!(今日はクリスマスだ!バカヤロー!)
私のテンションが地味に下がっているのに気付いた透がフォローのためかすぐに話題をドレスに向けてくれた。(弦一郎、次に会った時もコテンパンだ!!)
「そ、それにしても・・・、伊織のそのドレス可愛いよね!凄い似合ってる!!」
「そう?ちょっと大人っぽいかな、って思ってたんだけど・・・。透のドレスも凄くいいね!!」
晃さんなんて言ってたっけ?
嫁にはやらん!だっけ(マジうける!)
でも気持ちわかるなー、私なら確実に見せびらかすだけ見せびらかして絶対手放さないよこれ。
透は胸元にリボンのついた、淡いピンク色のアンピールタイプのドレス。
頭には小さなコサージュをつけてて、めちゃくちゃ可愛い。
ピンクってところがなんだか透らしくて、しかも似合いすぎててさすが透の両親グッジョブとか思う。
そして私は青地にバラのコサージュがついたAラインのドレス。
頭には白いレースのリボンがついていて乙女過ぎて恥ずかしいんだけど、はずそうとすると父が泣きそうな目で見てくるんだ。(こ わ い !)
「伊織のその可愛いリボン、雅人さんの趣味?」
流石に私の趣味ではないとわかったのか透が聞いてきた。
「うん。凄く、『女の子』って感じだよね・・・。ドレスもそうだけど、うちのお父さんってレースとかそういう女の子っぽいのが好きみたい」
透は、確かにと頷いてこっちをまじまじと見ている。(ちょ、あんま見るな!)
それに透だってすごく乙女だ。
胸元にリボンがついてるそれは女の子らしくて、ふうわりしている。(”ふんわり”じゃなくて”ふうわり”ね!)
ふわふわふわふわ、透が動くのに少し遅れてふわって動くドレスを着てる透は頭にも同じタイプのコサージュがついてて、本当に可愛い。
でもただ可愛いだけじゃなくて、なんていうか綺麗。
上品な感じっていうの?すごく透に似合っていると思う。
「透のそのピンクのドレスも、やっぱり晃さんチョイス?」
「わかる?私的にはちょっと可愛いすぎるかな・・・って思ってるんだけど・・・」
「そんなことないと思うよ。透によく似合ってるし」
「ありがと。 私も結構気に入ってるんだけど・・・でも年齢考えたらさ・・・(涙)」
「しっ!!本当の年齢を考えるな!!考えたら負けだぞ!!(泣)」
私たちの実際の年齢(前世合わせると3×歳)なんて考えたら、ダメだ!
恥ずかしすぎて、溶ける!!
いつも電話やメールをしているけれど、それじゃ話切れない話を延々としていると、人の波をかき分けてお父さんたちがやってきた。
「あら、透達ったらこんなところにいたの?」
「伊織ちゃんも一緒か。相変わらず仲良しさんだな」
「透ちゃん久しぶりだねえ。いつも伊織がお世話になってます」
「本当、久しぶりねー!ちょっと見ない間にこんなに綺麗になっちゃって!!」
さっきまで相手にしていた取引相手の社長さんたちと一緒にいるのが疲れたのか、なんだかみんな嬉しそうにこちらにやってきて少しテンション高めになってる。
口調が叔母さんみだいだねって言ったら殺されそう。(もちろん母に!)
晃さんの手に透の、父の手に私の飲み物があって、カクテルみたいに見えるけどノンアルコールだろうと推測する。
それを手渡してきて、まじまじと見てくる2人。(目線が愛しいって言ってるみたい)
隣では透もこの状況を見て何やら思うところがあるらしい。(変な顔してる)
「・・・・・・いやあ、うちの透が1番可愛いと思ってたけど・・・」
「ああ、うちの伊織が世界一可愛いと思ってたが・・・」
「「やっぱりどっちも可愛いな!!」」(どーん)
(このオッサン達、なんか目が異様にキラキラしてる・・・・・・・・・!!!!!!)
(なんか目が爛々としてる・・・・・・!!!!!)
((ぶっちゃけこわあああああああああ!!!!!))
私も透も背筋をぞぞぞってさせている。
きっと気持ちもリンクしてるんだろう。
お母さん達が遠巻きに見てるのがちょっと切なく感じた。
ちょ、見てないで助けて!!!
「うちの透もそうだけど、伊織ちゃんも嫁にやれないくらい可愛いなあ・・・」
「だよな!!でも透ちゃんも伊織に負けず劣らず天使みたいだなー」
「ま、俺の娘だからな。そういえばこのドレス、雅人のデザインだろ?伊織ちゃん、よく似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます・・・」
恐えー!悦に入ってる、悦に入ってるよ晃さん!
嫁って!私たちまだ小 学 生 !!
似合ってるって言われるのは嬉しいけどどこか釈然としない。
「だろー!!連日徹夜で考えたんだ!!仕事も手につかなかったよ」
「だろうなあ・・・」
だろうなって!そんなんでいいのか社長!
「透ちゃんのドレスはオートクチュールか?」
「そうなんだよ!知り合いのデザイナーに急遽無理言って作ってもらったんだ」
「だと思った。凄くよく似合ってるよ透ちゃん」
「ありがとうございますオジさん・・・」
あ、透のオジさん発言にちょっと凹んでる。(ナイス透!)
雅人さん…結局デザインしきったんだ…あの短期間で…。
そうなんだよ…。凄い執念だよな…。仕事しろよ本当…。
ははは…。100%雅人さんデザイン?
いや、90%
90%?
本当はフリフリのレースがもっと死ぬほどいっぱいついてたんだけど、お母さんが勝手に直した。
………………そうか。
あの時ほど母を尊敬したことはない。
原画を見せられた時は本当に父に「嫌い」って言ってやろうかと思ったもんだ。
センスは良いくせに、父がよく分からないよ。
あ、透が良からぬことを考えている。
何でわかるかって?
顔がニヤけてるんだよて め え !!
お母さん達曰く、この時の様子はさながらペットの品評会みたいだったって。
愛娘に対してペットはないよ、ペットは…。
続
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