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うわぁ、何かドキドキする。
きっと目の前にいる弦一郎の顔が恐いからですよね。
わかります。
ってか、あそこにおわしますお方は!!!
第21話
今日は(弦一郎曰く)待ちに待った戦日!
もとい、試合日!です。
試合って言っても私そんなに強くないよ。
そりゃ、前に弦一郎に勝ったことあるし、リョーマに対しては今のところ負けなしだけどさ。
それよりも、私の前には、顔を恐いくらい歪ませて試合が出来ることを喜んでいる(のだろうと推測される)弦一郎。
そしてその弦一郎の後ろのフェンスの向こう側。
幸村精市様がいらっしゃる!!(クワッ!)
何でまたこんなところに幸村が!?
ホワイ!?誰か説明してくれ!!
私がそう思っているのが通じたのか、透が間に入って自己紹介を促してくれた。
「初めまして、だね。幸村精市だよ」
「…初めまして。秋原伊織です」
「君の事はよく2人から聞いていたよ」
「…はぁ!?」
って、それよりも!
なんでここに幸村がいるの!?
「昨日真田が電話をくれてね」
「!」
「面白い試合になるだろうから、お前もぜひ来いってね」
「な!」
「それにどうしても、一度会ってみたくてね」
「っな!!?」
「フフッ……楽しみだな」
心読まれた!
つか、背筋に何か走った!!
それはもう素晴らしい笑みをこちらに向けて微笑んでいらっしゃる幸村は、それはそれは楽しそうに「試合見学させてもらうね」とだけ言って、見学の態勢に入ってしまった。
ああ、なんか弦一郎だけじゃ終わらなそうな雰囲気…。
私は小さくため息を零したのだった。
まぁ、あれだよね。
弦一郎が相手が女の子だからと言って手加減なんてするわけないよね。
結果としては勝ったんだけどさ。(7-5だよ)(ギリだよ)
そして、何かさっぱりしている弦一郎の後ろのお方が!
素晴らしい笑顔が!!(ガタブル)
「…」
「…」
「…」
「クスッ」
「!」(ビクッ)
お互いに、見つめ合ってる。
いきなり幸村がかすかに笑った!
伊織は驚いて5センチ浮き上がった!
それを見てまた幸村が笑った!
伊織に50のダメージ!!
RPG風でお伝えいたしましたけども!
そんな余裕ね―――!!!
「…いいね」
「へぁ!?」
「秋原さん、俺とも試合してよ」
「え、遠慮したいかなー…とか」
「え?なに?」
「何でもないです!」
「そう、じゃあヤろうか」
「!!」
ヤろうかって!お前!!
いや何でもないですごめんなさいすみません!!!
こうして伊織VS幸村戦が始まったのですが。
勝てるわけねーよ!
相手神の子だよ!!
皇帝でもギリだったのに、神の子に勝てるわけねーよ!!!
必死に球に追い付いて打ち返すも、悉く打ち返されるよ。
恐えーよ!
終始笑顔なんだもん!
「フフッ…楽しかったよ」
「そ、それは……光栄で、す」
「…またヤろうね」
「………………そうですね」
結局3-6で私の惨敗。
でも幸村から3ゲームも取れたんだから、いい方なのか?
それにしても疲れたよ。
「あ、俺の事は好きに呼んでよ」
「…じゃあ、ゆっきで。私も好きに呼んでくれていいから」
「………じゃあね、伊織」
「うん、また!(今の間は何だ)」
それから中学入学までの1ヶ月間、幸村に試合を挑まれ弦一郎に試合を挑まれ、ボロボロになりそうな伊織がいたのはまだもうちょっと先の話。
続
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