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第20話 reincarnation

やってきました笹本家!(in 日本!)
久しぶりすぎて何か笑える。
今日から私もここに住むんだね!

寿さんが渋すぎてたまらん!(弦一郎風)







第20話








笹本家の前に車が止まると、伊織と透はすぐさま降りた。


「お母さん!伊織を弦一郎に会わせてくる!!」
「はいはい、いってらっしゃい」
「行ってきまーす!」
「行ってきます!」


透は伊織の手を取って早く行くぞと言わんばかりにお隣の豪邸(真田家)へと走る。
私は足がもつれそうになるも懸命に後を追う。

ちょ、お前!落ち着け!!


「おっじゃましまーす!」
「お邪魔します」


玄関の扉を勢いよく開けて奥へと声を発すると、奥から真田母が出てきた。


「あらあら、伊織ちゃんじゃない!こっちに帰ってたの?久しぶりね」
「はい、お久しぶりです!さっき帰ってきたところなんです」
「アメリカから?大変ねー、お疲れ様」
「ありがとうございます」


私と真田母がのほほんとした雰囲気で穏やかに話していると、もう待てないとばかりに透が身を乗り出した。


「ね!弦一郎いる?」
「いますよ。今は自室で勉強をしているわ」
「あはは!弦一郎らしいや。じゃあ、お邪魔します!」
「お邪魔します」




「確か前に来た時も勉強してなかったか?」
「いつもの事だよ、もう習慣になってるんじゃない?」
「学校終わってるよね………中学校の予習、とか?」
「…………ありえる。」
「……うわぁ。」

私と透は弦一郎の部屋までそんな会話をしながら顔を歪ませた。

今更だけど、弦一郎ってあれだよね。
うん、あれだよ。

私達はそこだけはアイコンタクトを交わした。

弦一郎の部屋の前。
襖を前に透が中に向かって声をかける。


「弦一郎、入るよ?」
「…ぬ」
「おじゃましまーす!」
「……今のって返事だったんだ」


透の問いに対して、弦一郎の答えは一言「ぬ」だけ。
これでは良いも悪いも分らないのだが……経験から推測してるのか?

後で透に聞いてみたところ、悪い返事じゃなければたいていは大丈夫だという。
さすが小学校6年間一緒にいただけあるな。
変なところで感心してしまった。


「む、伊織ではないか」
「お久しぶり、弦一郎」
「うむ、久しぶりだな」
「伊織ね、今日こっちに帰ってきたんだよ!」


帰ってきたって言葉はちょっと違う気がしないでもない…のか?
透は何やら嬉しそうに弦一郎に纏わりついている。
弦一郎はというと、私の方を見たまま何やら考え中。(み、眉間に皺が!!)


「…弦一郎?(顔が恐いよ)」
「……伊織」
「あ、はい!」
「テニスは今でも続けているのか?」
「もちろん!って言っても試合経験なんてほとんどないし、幼馴染の相手をしてるくらいだったけどね」
「……そうか」


そう言ってまた考え込んでしまった。
なんだ、なんだ?
私は何が何やら、解からなくて透に助けを求めると透は苦笑していた。
そして、こちらに寄ってくると耳元でそっと教えてくれる。


「弦一郎、前に負けたのが相当悔しかったみたいでさ」
「…なるほど。また戦いたい、と」
「いや、試合したい、だろ」
「そうとも言うね」


こしょこしょと小さい声で話をしている私たちに気づいていない弦一郎は、それでもまだ何か考えていたが、急にこちらを振り向いて、伊織、と私の名を呼んだ。


「何?」
「……明日、俺と試合してもらえないか」
「……明日?」
「ああ、無理だろうか」
「んー………まぁ大丈夫だと思う」
「そうか!それでは明日の朝10時にそちらへ伺おう」
「ん!わかった」
「えっ!何?試合するの!?」
「うん!透も一緒にテニスしようね!」
「うん!って言っても私全然強くないけどね!」
「それはわかってるよ。だって透だし」
「…そうだよね、私だもんね」
「うん」


あ、やべ。
透に哀愁が漂ってるよ。
………まぁ、いつものことだし、いっか!

その後も向こうでの生活やテニスの事、いろいろなことを話して気づいたら夜の7時だった。
私と透は慌てて真田母に挨拶をして、隣の笹本家へと帰る。
玄関を開けるといい匂いがした。

寿さんの手料理!(久々の純和食!!)
感想はもちろん、めちゃうまでしたの一言ですよ!

こうして私の久々の、そしてこれから毎日続く日本での1日目は無事終了したのだった。




 

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