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ちゅんちゅんと鳥の鳴く声。
少し眩しく感じるカーテンから漏れる朝日。
私は眼を開けて、視界に私の部屋の天井を映した。
第13話
なんだが右側が温かい。
私はそちらに視線を動かした。
視界に映ったのは、青味がかった黒い髪と穏やかな寝顔。
「………ああ、リョマか」
そういえば一緒に寝てたんだっけ。
思わず叫びそうになってしまったよ。
なんだこの無駄に綺麗な顔。
すっげ可愛い。
思わず頬が赤くなるってもんだよ。
うん。
「リョマ、朝だよー」
「………ん、」
「リョマー」
「ぅん、ん……」
「リョーマー、あっさでっすよー」
「ん~…………ん、お、はよ」
「はい、おはよー」
原作で見てた通り、リョーマは朝が苦手みたい。
何度か声をかけて、肩を揺すって何とか起きたよ。
いやー、それにしても可愛いなー。
「ん、あれ?イオリ?」
「うん、伊織だよ」
「……おかーさんは?」
「倫子さん?お家じゃないかなー?」
「ここ、イオリの部屋?」
「うん、私の部屋」
キョロキョロとあたりを見回して、ここが自分の家でないことがようやくわかったみたいだった。
そして真っ先に聞くは母のこと。
やっぱりお母さんが恋しいお年頃だもんね!
私はリョーマを不安にさせないように、できるだけ笑顔で穏やかに話した。
昨日、リョーマが食事の後に眠ってしまったこと。
その時私の服をつかんで離さなかったこと。
仕方がないから私の部屋で一緒に眠ったこと。
そこまで言って、リョーマを伺うと、なんだか顔を真っ赤に染めていた。
な、何だ!?
「ど、どうしたの!?リョマ?」
「…な、んでも…ない」
「え?大丈夫なの?顔赤いよ?」
「…だ、じょぶ」
「……そっか、じゃあ下に行こう?朝ごはん食べなきゃね」
「…ん」
私は少し不安だったけど(風邪だろうか?)リョーマの手を引いて下のリビングへ向かった。
後ろでリョーマが手で顔を覆いながら「はじゅかし」と言っていたのを私は知らなかった。
階段を降りてリビングに入ると、もうみんなは食卓についていた。
リョーマと一緒に並んで椅子に座って、みんなを見回すと「じゃあ、食べようか」と父が言った。
「いただきます」
「「いただきます!」」
「召し上がれ」
今朝は白ご飯に焼き鮭、豆腐のお味噌汁にお漬け物という和食中心だった。
滅多にない和食に私もリョーマも喜んだ。
特にリョーマは、リョーマのお母さんがなかなか和食を作ってくれないのかすごく喜んでいる。
よかったね、リョーマ。
にこにこしながらご飯を食べているリョーマを見て、ほんわかしながら私もご飯を食べた。
冬の寒い日。
もうすぐクリスマスが来る。
続
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