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朝練も終わり、教室まで透とゆっきと弦一郎と柳と仁王で向かった。
柳と仁王とは昨日話したばかりだけど、柳は弦一郎と、仁王は透と同じクラスだと言っていたから一緒に行こうという事になったんだ。
2年後の彼らの姿は知っているけれど、今の姿を見ると後2年でああなってしまうのかと少し残念でならない。
せっかく小さくて可愛いのに!もったいない!!(と言っても、2人ともすでに私よりは身長は高いのだけどさ)
でも、可愛いのに!もったいない!!(ここ重要なんだからね!)
第34話
「そういえば、仁王君と柳君はお昼ってどうしてるの?」
「俺は昨日は教室で弁当を食べたが」
「俺も似たようなもんじゃき」
私の一言に、それがどうかしたのか?という目線で(柳は瞼閉じてるけども!)問いかけてくる2人。
この2人に見られると(特に仁王には)ちょっと怖い。
仁王の三白眼って、迫力があって恐いんだなー。(見降ろされてるから特にね)
柳に至っては、きっちりと瞑っている目を見ると、これでよく物が見えるものだと感心してしまう。
あっちにいるときは、薄目でも開けているんだろうと思っていたんだけど、そうじゃないみたいだし。
柳の瞼の構造はいったいどうなってるんだ?(透視能力とかあるのかな?)
「お弁当かー(仁王は明確じゃないけど…いいか)」
「?お前達もそうなのだろう?」
「うん。そうだよ」
「ね、柳君達もお弁当なんだったら一緒に食べない?」
私はただ単にお弁当なのか学食なのか気になっただけだったんだけど、お昼という単語にせっかくだしという事で、透が柳と仁王も一緒にどうかと誘った。
そのいきなりなお誘いに、柳は少し渋った様子で私や弦一郎、ゆっきを見る。
仁王は相変わらず、我関せずって感じ、か?
「いいんじゃない?ね、ゆっき」
「そうだね。せっかくなんだし、迷惑じゃなければ。ね、真田」
「うむ、そうだな。どうだ、柳、仁王。一緒に食べないか?」
「あ、ああ。よろしく頼む」
「そうじゃな、考えとくぜよ」
「じゃあ、昨日と同じ場所で食べよう!弦一郎、ちゃんと連れて来てね」
「ああ、無論だ」
「仁王君は透と同じクラスなんでしょ?一緒に食べるなら透とおいでよ」
「そうじゃな。その時は頼む」
うわああああああ。普通に一緒にご飯食べることに決まった!!!
よく考えたらこれって結構凄いことなんじゃないだろうか。(グッジョブ透!)
なんて考えてる間に、気付いたら私達の教室の前で。
「それじゃ、またお昼に」
「うん。また後でね」
皆に軽く手を振って教室に入る。
去り際に、透が親指をグッてやったので、私もさり気無くグッて返してみた。
もう、これだけで意思疎通できますから。
お昼楽しみだね。
ですよねー。
「どうした透?」
「ふふ。内緒ー」
「お前さんら、変わってるのう」
透さん、満面の笑みですね。
心から満面の笑みですね。(その気持ち分かりやすすぎるくらい分かりますとも!)
透の確信犯的な笑みを心にそっと納めながら席に着く。
お昼、楽しみだなー。
あれ?冷静に考えたら、神の子と皇帝と達人と詐欺師と一緒のお昼って・・・!(恐えええええええ!!!)
「伊織、どうしたの?」
「ううん・・・。なんでもない・・・。柳くんと仁王くんと早く仲良くなれるといいよね・・・」
「うん。そうだね。お昼休み楽しみだね」
「うん・・・・・・」
2年後の姿で考えたら、凄い絵面だなあ・・・。
「あれ?早く来すぎちゃったかな?」
「んー、それっぽいね。みんなが来るまで待ちますかー」
皆を待たせちゃ悪いと思って急いで来たんだけど、1番乗りだったみたい。
ゆっきと一緒に芝生の上にちょこんと座る。(そよ風、気持ちー)
思わず寝ころんでしまいたくなりますな。
「伊織、マネの仕事はどうだい?」
「んー、今日初めてやったけどいい感じかな。そんなに大変そうじゃないし。透も、他の子たちもいるし」
「そう」
「うん。ゆっきは?立海の練習はどう?」
「そうだな。朝練をやった感じではまだあまりレベルはわからないけど、先輩たちを見てるとやっぱり凄いなって思うよ」
「そっか。やりがいがあるってやつかね?」
「ふふ、そうかも」
ゆっきが嬉しそうに笑ってる。
立海の練習、凄く楽しいんだろうな。
そんな顔を見ちゃうと、私もマネとして手が抜けないね。(もちろん手を抜いてたわけじゃないけどさ)
頑張んなきゃ!って思える。
「伊織、精市、お待たせー!」
「透!遅かったねー」
「ふふ、仁王も来たんだね」
「ま、お呼ばれしたけぇの。お邪魔するぜよ」
「…!(や、柳生だー!)」
ゆっきとまったりのんびり待つこと数分。
やってきた透と仁王の後ろには、七三分けの前髪に逆光眼鏡の柳生さんがいらっしゃった。
うわー!サラリーマンだ!!(これで中学生とか、あり得ない!!)
「あ、彼は柳生って言って、同じクラスの隣の席なの!よかったらお昼一緒しないかって誘ったんだけど、よかった?」
「もちろん!座って座って!あ、私は秋原伊織です」
「俺は幸村精市だよ」
「初めまして。私は柳生比呂士と言います。透さんのご厚意に甘えさせていただきました」
台詞が堅苦しい!仕草や動きがどことなく優美!(これがジェントルたる所以なのか!!)
少し申し訳なさそうにしている柳生が所在なさ気に立っているから、座りなよと促してみた。
ら、この人、ハンカチをお尻の下に敷きましてよ!
ジェントル!!
「…柳生君は、生粋の日本人、だよね?」
「そうですが」
「そうだよねー」
なんだろう。
こう、戦前とかの外国人とかこんな感じじゃない?
公園のベンチに座る時もハンカチーフを敷いて「ここに座りなよ!」って男の子がウィンクぱちーん☆て。
………ぶっふ―――――!!(笑っちゃダメ!笑っちゃダメなのよ、伊織!)
「あの、秋原さん、大丈夫ですか?」
「…!あ、……うん。だい、じょぶ!…っ!(笑いをこらえるのってきつい!!)」
「あー、柳生。気にしなくていいよ。伊織はいつもこうだから(笑いをこらえてるよこいつ!)」
「ふふ、伊織は面白いね」
「ふむ。お前さんも、可笑しなやつじゃのぅ」
これが笑わずにいられるか!(バカ者どもめ!)
ていうか何で笑わずにいられるのかが分んない!!
ゆっきも仁王も私を見てにこにこしてるし(仁王は若干にやりとしてるけど)
見てみろ!透なんて笑いたくても柳生の手前、笑えないもんだから視線が斜め下に泳いでるぞ!
笑いたかったら笑っていいんだよ、透。
…笑ったら悪いと思って…。プッ…。
…軽く涙目だよ?
いや、だって…今時ハンカチをお尻の下に引く男子って…。
ないよね。
うん…ないね。
彼らは会話に花を咲かせているが、私達の間では柳生は存在否定されていた。
だって・・・!!!ハンカチーフはないよ!!!!(爆笑)
続
名前呼びのところは、番外とかで書こうかなーとか。
ハイノが書いてもいいと思う。
透視点とかで^▽^
書きなおしてみた。
というか、ハイノが書いたやつを加えたりしてみた。
どうだろ?
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