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「テニス部集合!!」
腹から出された声は、辺り一帯にびりびりと響き渡った。
第30話
ぞろぞろと部員たちが集まってくる。
あ、ゆっきと弦一郎発見!
ふわ!仁王に柳に丸井にジャッカルもいる!
素晴らC!!(ジロー風)
「彼女たちがこれから俺たちのマネージャーをしてくれる子たちだ。秋原さんから順番に挨拶してもらおうかな」
おおう、私からか。(部長素晴らしい笑顔ですね!)
こう言うのって緊張するから苦手なんだけどな。
うー、顔赤くなる!絶対今顔赤い!!
「1年C組の秋原伊織です!自分が出来る限りで頑張りますのでよろしくお願いします!」
言いきって、ふーとため息一つ。
本当に無理だって。こう言うのは照れるんだって!
頬に手を当ててなんとか熱を逃がそうとするがなかなか逃げてくれない。(くっそー)
「1年B組の笹本透です。マネージャー経験はないですが、精一杯やらせてもらいます。よろしくお願いします!」
透はそんなに緊張してないのか、生き生きとした顔ですっごく可愛い。
なんだこいつ、可愛いな。
透が挨拶を終えると隣に並んでいる女の子たちが挨拶を始めた。
「1年D組の桃月京子です!一生懸命頑張りまーす!ぜひ京子って呼んでくださいね!」
「同じく1年D組の島崎夏美です。みなさんのお手伝い頑張ります!よろしくね!」
「同じく1年D組の山川順子です!私も頑張ります!よろしくお願いしまーす!」
ミーハーっぽいなー。
…うん、頑張ろう。
まぁ、仕事は私たちが回しちゃえばいいんだろうし、配ったりはしてくれるだろうし。
ていうか君たちみんな同じクラスだったんだね。
透にもアイコンタクトで心境を聞いてみる。
ね、どう?この子たち。
まぁ、なんとかなるんじゃない?
だよね。私と透がいればどうにかなるよね。
うん。
そこでアイコンタクトを終了させて、部長が話していることを聞いた。
「これから部活を始める。今日は全体ミーティングだ。とくに話すこともないのだが、1年は早く部に慣れることを頭に入れておけ。2、3年は大会が近いことを考え動くように。この後は各自自主練をするならしてもいいが、遅くても18時までだ。尚、明日からは朝練が7時からある。遅刻しないよう気をつけてくれ。以上解散!マネージャーはこちらに来てくれ」
月曜は全体ミーティングか。
小さいメモ帳を取り出してメモメモっと。
「マネージャーの仕事はたくさんあるが、主に選手のタオルとドリンク作り。それに軽い怪我などに対応してくれ。あとは部誌とスコアの記入だ。マネージャーの仕事はこれくらいだが、なにか質問はあるか?」
「はい」
「秋原か、何だ?」
「ドリンクってボトルしかないんですか?あの、ウォータージャグみたいなものとかは」
「ああ、タンクが3つほど会ったと思うが。確かマネの部室にあったはずだ。ボトルも基本的にはレギュラー分だけしかないから平部員には自宅から持参してもらっている」
「わかりました。あと、仕事に必要な道具ってどこに置いてありますか?」
「全部マネの部室に置いておいた。分からなかったら聞きに来てくれ」
「ありがとうございます」
「あの、私からもいいですか?」
「笹本、なんだい?」
「タオルの予備がどれくらいあるのか知りたいのですが」
「ああ、タオルは各2枚づつあるようにはしている。あとそれ以外の予備に10枚ほどある。それは俺達の部室のほうにあるから後で取りに来てくれ」
「わかりました」
「あ、それとボトルの中身なんですけど」
「うん?」
「薄さとかの調節をしたいので後でレギュラーの方々に教えてもらいたいのですが」
「ああ、分かった。伝えておくよ」
「ありがとうございます」
「とりあえずはそのくらいかな?今日は各自練習だから帰っても大丈夫だが」
私は今聞いたことをメモして透を見ると、透も私が考えていることに気付いたのか頷いてくれた。
あの部室、今日中に出来るなら何とかしたい!
「私はもう少し残っていきます」
「私も」
「そうか。君たちはどうする?」
部長はその言葉に微笑して、私たちを遠巻きに見ていた他のマネの子たちにも聞いた。
「えー。私達は帰りますー」
「うん。とくに仕事ないみたいだし」
「ねー」
3人は互いに顔を見合って、ねー?と言いながら小首をかしげている。
うん、可愛いね。
まぁ部室の掃除は言ってあったわけじゃないし、いっか。
「そう。それじゃあ、また明日ね」
「はい!また明日!」
「さようなら!」
「さようなら」
部長が告げるとすんごい笑顔で3人は去っていきました。
私はとりあえず気持ちを切り替えると、透に向かった。
「透、部室行こう」
「うん、あれどうにかしなきゃだね」
「あ、その前に先輩たちに聞いとく?」
「ああ、ドリンク?聞いた方がいいかもね」
「部長。先ほどのドリンクの話ですけど、今聞きに行ってもいいでしょうか?」
「ああ、ちょっと待ってね」
ニッコリ笑顔で制された。
それから、コートに向って息を吸って。
「レギュラー集合!」
おわぅ!さっきよりも近いから体中に響くよ!
部長の掛け声にレギュラーはサッと集まって、私たちを囲んだ。(みんな背が高くて恐いよ!)
「なんだ?湯沢」
「マネの子たちがお前たちに用があるって言うからね」
「俺たちに?」
訝しそうにこちらを見てくる先輩たちに少し恐怖。(こわー)
部長を見ると「ほら、取って食いはしないから大丈夫」って言ってくれたよ!(部長!)
「あの、先輩たちのドリンクの好みを聞いておきたくて」
「好み?」
「薄いとか、濃いとかなんですけど」
「……それって、俺たちの好きな濃さにしてくれるってこと?」
「そうした方がいいかと思って」
「「「「おお!」」」」
何か、雄たけびみたいなのが上がった!
私も透もビクってなったよ!(こわ!)
喜んでもらえるのはよかったなって思うけど、そろそろ教えてほしいなーとか。
「ほら、お前たち。伊織と透が困ってるだろう。さっさと言って」
「ああ、そうだな!俺は3年の立川健太!濃さは…普通!」
「俺は3年の長谷川拓真。濃さは少し薄めがいいな」
「次俺!3年で北岡颯太!普通より濃いめ!」
こんな感じで次々に先輩たちが話していくんだけど、正直追いつかない!
ちょ、待って!!
立川→普通
長谷川→薄め
北岡→濃いめ
小村→普通
伏見→薄め
錦→薄め
三井→普通
湯沢→普通
な、なんとか書けた。
それにしても先輩たち元気よすぎ!
いつの間にか名前呼びになってたし!(透に言われるまで気付かなかった!)
前途多難すぎる。
続
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