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こっちの世界に来て初めての飛行機。
初めての日本。
初めての離れ離れ。
番外 日本のお家のお隣さん(透視点)
「ここが私たちの家だよ」
目の前にある家は、アメリカで住んでいた時よりも一回り大きな家だった。
2階建の家。
部屋は各階に5部屋程あって、その一部屋一部屋も10畳以上はあった。
やっぱり私の家(というか、私たちの家)って金持ちなんだなって思う。
「お隣にご挨拶に行こうか」
「そうね、これから何かとあるだろうし、そういったのは早いうちがいいものね」
「透、行こうか」
「うん」
お父さんとお母さんは私に手を差し出して、一緒に玄関まで向かう。
その際に寿(私の家の執事)に夕飯の準備をお願いして。
近所は粗方回って、最後に私の家の右隣の家にやってきた。
こちらもまた大きな家だった。
というよりも、ここら近辺の住宅全てが大きな家だ。
ここもまた今まで回ってきた家と同様に、お金持ちなんだろう、きっと。
家の前まで来て、ここは何さんだろうと表札を見て、固まった。
表札には『真田』の文字。
真田!?
あれ、あれですよ。(どれだ)
手に総の王子様で神奈川で真田って言ったらあれしか浮かばないでしょう!?
さ、真田。
どこまで行ってもご都合主義というかなんというか。
幼馴染とかになるのかな?
てか、仲良くなれるかな?
……不安だ。
そんなことを自分たちの娘がもんもんと考えているとは少しも知らず、両親はあっさりと真田家の玄関を叩いた。(といっても実際はインターホンを鳴らしただけだが)
少しの間の後、インターホン越しに女性の声が聞こえた。
両親はその女性と何やら話をして、すぐに玄関が開いた。
出てきたのは、両親より少し年上くらいだろうか。
20代後半から30代手前くらいの女性だった。
「初めまして、笹本晃と申します。こちらは妻の真弓、そしてこっちが娘の透です」
「初めまして。ほら透、ご挨拶は?」
「あ、初めまして、透です」
「あらあら、初めまして。私は真田和子と申します」
それから私たちは少し話をして、何やら意気投合したらしい両親と真田さん。
是非とも今晩は家で夕食を一緒に、との言葉を真田さんから貰い、一端家に帰ってまたお邪魔することとなったのだった。
なんでも、真田さんにもお子さん、しかも息子さんが2人いるらしく、兄が誠、弟が弦一郎。
弟が弦一郎!(重要だから2回言いました)
何で長男が誠で次男が弦一郎かというと、誠という名は彼らの母が弦一郎は父が決めたためらしい。
次男で○○一郎というのは珍しいと思っていれば、そういうことだったのかと、裏舞台を見てしまったようで面白かった。
そういえば、伊織との連絡手段にパソコンを買ってもらったことはまた後日のお話。
続
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